THINK LOCAL - いつも通り過ぎるあのお店が素敵に感じる。なつかしくてあたらしい街の楽しみかたガイド。


THINK LOCAL 発刊によせて

グリーンレーベル リラクシング 沼田真親

グリーンレーベルリラクシングのブランドコンセプトは「Be happy ココロにいいオシャレな毎日」です。そのためには日々の暮らしが非常に大切ではないかと思っていて、自然環境も含めた総合的なくらしのあり方の豊かさは首都圏よりもむしろ私たちGLRの地方店がある各都市なのではないかと思います。グリーンレーベルリラクシング的価値観を切り口にしたタウンガイドを作ることで、あらためて「ローカルの面白さ」を再確認するきっかけにしていただければうれしいです。


あなたの足許に咲いている花はとても美しい。

ランドスケーププロダクツ 岡本 仁

先日、2週間ほどかけて四国と九州をまわりました。松山、宇和島、高松、臼杵、日田、福岡、鹿児島。それぞれの町に住んでいる友人や、友人の友人が案内をしてくれたので、とても楽しく過ごせたのです。

でも不思議だったのは、案内してくれる誰もがまるで決まり文句のように「ここには何もないんです」と言うことでした。もちろん何もないなんてことはなく、どこへ行っても何を食べても、「ああこういうのが自分の町にあったらどんなに嬉しいだろうか」と思うことばかりだったのです。そして、案内してくれた人たちが皆、自分たちの住む町をとても愛しているのが伝わってくる。だから、これはつまり謙譲の美徳ってやつだ。最初はそういうふうに解釈しようとしたけれど、どうやら本気でそう思っているらしい。

というのは、「ここには何もないんです」って言われると、ぼくも鸚鵡返しに「いやいや、東京こそ何もないですよ」と答えるのですが、そのときのぼくは本心から「東京には何もなくて、あなたの住んでいる町が羨ましい」と考えているわけだから。

じゃあ、どうして「何もない」と口に出してしまうのでしょう。遠くにきれいな花が咲いていて、それを見ることに気を取られると、足許に咲いた花を見落としてしまう。もしくは、自分の町で暮らしているときは、いろいろ用事があって何でも効率優先なので、遠回りするなんてことはない。それで、あの路地の先にきれいな花があっても別な道を選ぶし、いつもの道は当り前の風景になりすぎていて花を見ても、わざわざきれいだと認識はしない。そんな理由からなのでしょうか。

常々いろんな町を歩いていて思うのだけど、自分の足許に咲いているきれいな花を見つけるのにいちばん良い方法は、他所から来た誰かを自分の好きな場所に連れていくことかもしれません。連れていかれたぼくは「へえー」とか「すごい」とか「おいしい」とかはしゃいでしまう。すると連れていってくれた友人は、こういうのが好きだと興奮するぼくを見て、「へえー」とか「気がついてませんでした」なんて言う。ぼくはぼくで、「こういうのが東京にはないんですよ」と最初は思うのだけど、そのうち「同じものはないけれど、同じような気持ちになれるものは東京にもあるぞ」と気づく。

だから、自分の住む町の素晴らしさをもっと強く感じるために、地図を持って他所の町を歩いてみてください。あるいは、地図を持って他所から来る人の眼を借りて自分の町を見直してみてください。そうするときっと、どこにでもあるものが何でも揃っているところよりも、そこにしかないものがたくさんあるところこそ、豊かで魅力的なのだと感じるようになるでしょう。