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CATEGORY :【 Other 】
2015.03.31

連載コラム【音楽のある風景】 Vol.35

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

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どうぞお楽しみください!


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3月の選曲は、ピースフルな心地よいヴァイブに満ちた至福の音楽旅行へ。
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日に日に暖かくなり、東京は桜も満開、すっかり春がやってきました。
昨夜は先月のこのコラムで触れたライのライヴに出かけ、その美しい音楽に浸りましたが、
昼間は横浜〜山下公園をシー・クルーズして、気持ちのよい陽気の中、真っ青な空と海、きれいな桜の花を堪能できました。

その前日の日曜日には、今年初めて湘南の海へ向かいました。
大佛茶廓の庭を眺めながらシャンパーニュを飲んだりするのも素敵な午後でしたが、
いちばんの目的は、由比ヶ浜にある“Good Mellows”というハンバーガー・ショップを訪ねること。
昨年の夏から秋にかけて、僕はその店でDJをしたりしながら仲間たちと素晴らしい時間をすごし、
たくさんの忘れられない音楽の瞬間が生まれたのです。

今月は、そんな大切な思い出の中から誕生した、とてもとても心地よいコンピレイションを、まず紹介したいと思います。
去年の夏にディスクユニオンから依頼されて、僕が新たに監修することになったレーベル、
“Suburbia Records”のファースト・リリースとなる『Good Mellows For Seaside Weekend』です。

そう、“Good Mellows”を合言葉に、海辺の週末をイメージした心地よく甘美な至宝が連なる、
天上のメロウ・チルアウト・セレクション。
それは音の桃源郷へと誘う、至福の音楽旅行です。
柔らかな叙情と透明感あふれる優美なメロディー、瑞々しいオーシャン感覚とアトモスフェリックな麗しいサウンドスケープ。
ジャジー&オーガニックなビートダウン・ハウスから、メロウ・ドリーミンなチルアウト・バレアリカ、
ダビー&フローティンなメランコリック・アンビエントまで、波の音や鳥のさえずりもピースフルな快いヴァイブに満ちた、
極上の音の流れに身を委ねる82分17秒。
NujabesやCALMの作品でも知られるFJD描きおろしの美しいアートワークと溶け合うような、
爽やかなアイランド・ブリーズと甘やかなマリン・フレイヴァーに包まれる、
この上なくヘヴンリー&グルーヴィーな音楽体験を、ぜひ味わってください。

オープニングに置いたのは、この連載でもたびたびその名が登場している、ジョー・クラウゼル率いるメンタル・レメディーの、
ピアノとギターやストリングスの美しさが筆舌に尽くしがたいアコースティック・スピリチュアル・アンビエント「Just Let Go」で、
この至高の名曲をCDで聴けるようにするためにレーベルを立ち上げた、と言っても過言ではないほどです。
一方、ラストを飾るのは、かつてNujabesも好んでDJプレイしていた、
パット・メセニー・グループ「Slip Away」をサンプルした不朽のサマー・アンセム、ニック・ホルダーの「Summer Daze」。
気が遠くなるほど陶然としてしまうペドロ・アズナールの歌声とパット・メセニーのギター、その切なくも崇高な響きがループされ、
ブリージンかつ甘美な憂愁に彩られた、永遠に聴いていたくなる最高のエンディングになっています。

もちろん、その間をつなぐ楽曲も、“珠玉”としか言いようのない、
映像美豊かでイマジネイション広がる(そう、音楽から風景が浮かぶのです)、透明なきらめきに満ちた名作ばかり。
そんな中から一曲、コンピ誕生にまつわる大事なエピソードをまとった、マッド&ポラードの「Mawsons’ Walk」に触れましょう。
マッドことポール・マーフィー(彼は昨春カフェ・アプレミディでDJをしてくれたこともあり、
この5月には再来日も果たします)が主宰する人気レーベル“Claremont 56”の代表作であるこのバレアリック・グルーヴを、
僕が昨夏、“Good Mellows”でかけていたときのことです。
次の出番のためにライヴ準備中だった、日本を代表するシーサイド・パーティー“FreedomSunset”を主宰するshibaが、
その手を休めてトランペットで加わってくれたのです。
彼はこのレコードの録音に参加して、トランペットを吹いていたのですね。
予期せぬセッションに友情を深めた、そこに居合わせた仲間とのかけがえのないひとときが、
『Good Mellows For Seaside Weekend』のアイディアへと発展していった、というわけです。
続いて収録した、アウトキャストの人気曲をメロウ・フォーキー・バレアリカに仕立てたB.J.スミス「Hey Ya!」
(アコースティック・ギターのイントロから最高に気持ちよく、DJプレイすると必ずオーディエンスから問い合わせを受ける傑作です)など、
このコンピにエントリーした14曲中12曲が、僕が実際に昨年“Good Mellows”や“FreedomSunset”でスピンした作品であることも、
付け加えておきましょう。

そしてもう一枚、僕の最新コンピとなる『Free Soul meets P-VINE Jazz』も、併せて推薦させてください。
Free Soul 20周年の祝賀ムードが盛り上がる大きなきっかけになった『Free Soul meets P-VINE』の兄弟編となるジャズ・エディションで、
これもまた、グルーヴィー&メロウ、ジャジー&スウィンギー、サウダージ&メディテイティヴ……、
かつては幻だった輝かしい金字塔のような名曲・名演がきら星のごとく連なります。
ファラオ・サンダースを始めとするキラー・チューン、スピリチュアル・ジャズの名門ストラタ・イーストやトライブの秘宝、
スティーヴィー・ワンダー2曲/イヴァン・リンス/シーウィンド/ダニー・ハサウェイ/マリーナ・ショウ/ボブ・ドローといったカヴァーも絶品揃い。
DJプレイしてフロアが沸き上がった光景がフラッシュバックして、胸が熱くなる瞬間もしばしばで、
埋もれた至宝に90年代から光を当て続けてきた、“渋谷ジャズ”の歴史をたどるような、深い感慨に包まれます。

とりわけ涙があふれてしまうのは、ペニー・グッドウィンによる私家録音のミシェル・ルグラン「Little Girl Lost」のライヴ・カヴァー。
「無人島に、いや天国に持っていきたい曲だ」と、僕はかつて書いてしまったほど特別な一曲。
エンディングのダグ・ハモンド「Moves」も、胸の奥深いところまで染みて、安らかに魂を鎮めてくれる、心の調律師のような音楽です。
しなやかに躍動するグルーヴと、魂を揺さぶられるメロウネスに彩られた、
まさにエヴァーグリーン・ベストと言える至上のジャズ・セレクション、ぜひぜひどうぞ。

追記:
『Good Mellows For Seaside Weekend』は、特に入手困難だった曲やクラブ・ユースに向いた音源を選りすぐった、
2枚の4曲入りアナログEPもリリースされますので、レコードで素晴らしい音楽を聴いてみたいという方や、
こだわり派のDJ/マニアの方にも、手にとって楽しんでもらえたら嬉しいです。

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3月の選盤

橋本徹さんが監修・選曲する新レーベル“Suburbia Records”の第1弾として、
“Good Mellows”をテーマに海辺の週末をイメージして、波の音や鳥のさえずりも心地よいピースフルな至福の名トラックが集められた、
珠玉のコンピレイション『Good Mellows For Seaside Weekend』
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Free Soul 20周年を祝福する盛り上がりのきっかけになった大ヒット・コンピ『Free Soul meets P-VINE』の兄弟編として、
ジャズとその周辺音楽から、橋本徹さんが思い入れ深いとっておきの名曲・名演を選び抜いた、
至上のコンピレイション『Free Soul meets P-VINE Jazz』
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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは270枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

 

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