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CATEGORY :【 Other 】
2015.02.27

連載コラム【音楽のある風景】 Vol.34

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

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どうぞお楽しみください!

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2月の選曲は、大切な思い出と結びついた素敵なラヴ・ソングを。
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三寒四温、という感じですが、春が少しずつ近づいてきましたね。
明日あたりはきっと春、という陽気です。
そろそろスプリング・ファッションに、と胸をときめかせている皆さんも多いのではないでしょうか。

それでも氷雨ふる昨夜は、僕はダッフルコートに身を包んで、素晴らしいサウンド・クリエイターで友人でもあったNujabesの、
5周忌を迎えての追悼イヴェントに出かけました。
あれは涙雨、だったのでしょうか。
しかし、Nujabesの音楽を愛する1,200人もの人々が集まり、会場は最後まで熱い思いに満ちていました。
彼の死に際したときのやりきれない気持ちは、いまだに続いていますが、いつの間にか5年の月日が流れていたんですね。
彼の美しい音楽と、それが結びつけてくれた人と人とのつながりに感謝して、やはり感極まってしまった夜でした。

僕はファラオ・サンダースの「Save Our Children」(Remixed by Bill Laswell)という曲を核に、
メンタル・レメディー(ジョー・クラウゼル)の「The Sun・The Moon・Our Souls」やNujabes自身の「Child’s Attraction」をDJプレイしました。
以前にこの連載コラムでも、エピソードを綴ったことがあったかと思いますが、どれも彼との思い出の名曲です。
かつて僕の『Mellow Beats, Friends & Lovers』というコンピに、Nujabesが提供してくれた「Child’s Attraction」を、
彼が生前にひどく惹かれていた「The Sun・The Moon・Our Souls」を作ったジョー・クラウゼルがリミックスする、
というクラウドファンディングのプロジェクトも立ち上げられています。
生演奏をふんだんに使って、メンタル・レメディーのようなスタイルを意識してスピリチュアル&メロウにリメイクする、
というジョー自身の声も届いていますので、どんな素敵なヴァージョンになるのか、今から楽しみでなりません。

さて今月も、僕が最近とりわけ心をこめて制作したコンピレイションを、紹介させてください。
それは題して『Free Soul 21st Century Standard』。
まさしく都市型音楽のニュー・スタンダード、現在進行形クラシックと呼ぶに相応しい、
深く胸に沁みる歌と珠玉のサウンドに彩られたとびきりの至宝を満載した、21世紀の“All Around Soul Music”の決定版セレクションです。
70年代ソウルのアコースティックでメロウ&グルーヴィーな音楽性を礎に、ジャズやヒップホップ、
LAビートやUKベースの要素が理想的に融合した、現代のアーバン・ミュージック。

ディアンジェロ/エリカ・バドゥ/Q・ティップ/ノラ・ジョーンズ/アリシア・キーズ/インディア・アリー/ロビン・シック/ロバート・グラスパー……、
まさに“ベスト・オブ・21st・センチュリー”という感じの錚々たる顔ぶれが揃い、
ボビー・コールドウェル/マイケル・ジャクソン/ロバータ・フラック/ファイストなどのカヴァーも絶品ばかり。
マーヴィン・ゲイ/スティーヴィー・ワンダー/プリンスらブラック・ミュージックの偉人たちの影を宿し、
シャーデーやミニー・リパートンのしなやかな柔らかさが息づき、
今年のグラミー賞とアカデミー賞で続けざまに大きな喝采を浴びたコモンとジョン・レジェンド、
“2010s Urban-Mellow”の象徴と言えるライやジェイムス・ブレイクも加わった、ジャズとソウルとクラブ・ミュージックの蜜月の集大成です。

個人的にも、人生の大切なシーンのサウンドトラックとして忘れがたい、思い出と結びついた名作を数多く収録していますので、
そんな中から1曲ご紹介しましょう。
それはドゥウェレというネオ・ソウルを代表する名シンガーが変名で歌っている、プラティナム・パイド・パイパーズの「Open Your Eyes」。
ご存じAORの旗手ボビー・コールドウェルのカヴァーですが、この曲が脚光を浴びるきっかけになった、
J・ディラによるサンプリング・ワーク&ビート・メイキングが絶品のコモン「The Light」(こちらもこのコンピに収録されています!)を、
最も過不足なく踏まえた好ヴァージョンなんですね。
歌詞にもつい思いを託したくなってしまう素敵なラヴ・ソングで、僕は北海道の小さな選曲会でこれをかけたときに生まれた親密な空気を、
一生忘れません。

最高のラヴ・ソングという意味では、愛にあふれたPVも印象的なQ・ティップ&ノラ・ジョーンズの「Life Is Better」
(最高のヒップホップ讃歌でもありますね)や、冬から春へと移ろいゆく季節を描写する歌いだしから惹かれる
ディアンジェロ「Feel Like Makin’ Love」にも触れたくなりますが、話が尽きなくなるので今回はこの辺で。
『Free Soul 21st Century Standard』の選曲の裏テーマとして、僕なりのオマージュを捧げたつもりのJ・ディラが、
Nujabesと同じ1974年2月7日生まれで、同じく2月に亡くなったという符合も、最後に付け加えておきましょう。

追記:
ひと月後には、優美な「Open」でこのコンピのオープニングを飾るライも、来日公演にやってきます。
日ごと暖かくなり、桜の花も咲き始める、東京が最も気持ちのよい季節。
大切な人、特に愛する人と観るには、これ以上ないライヴになりそうですね。
その頃には颯爽とスプリングコートを羽織って、軽やかに街に出かけたい、そんなことを思ったりしてしまいます。
もちろんスウィートな気分で。
『Free Soul 21st Century Standard』は、そんな街の風景に溶け込む都市生活者のサウンドトラックとして、
多くの方に聴かれたら嬉しいな、と考えています。
というか、何てことはない、誰よりも僕自身がこのCDをいちばん聴くんじゃないかな。
ときには記憶の温もりに包まれたりしながら。


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2月の選盤

名実ともに21世紀の顔と言える豪華な顔ぶれによる珠玉の名作が揃い、
メロウ&グルーヴィー、そしてアーバンなとびきりの至宝がぎっしり詰まった、
現代のジャズとソウルとクラブ・ミュージックの集大成となる、
橋本徹さん選曲のコンピレイション『Free Soul 21st Century Standard』
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今なお温かい讃辞の声がやまない、日本が世界に誇れる名サウンド・クリエイター、
Nujabesの胸を打つ甘美な傑作の数々が、深い愛情と追悼の思いをこめて集められた、
橋本徹さん選曲のコンピレイション『Free Soul Nujabes ~ First Collection』と『Free Soul Nujabes ~ Second Collection』
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シャーデー「Kiss Of Life」の名カヴァーと共に生前最後の作品となったNujabesの「Child’s Attraction」も収録された、
寄せては返す波や沈みゆく夕陽のようにメロウな日本人アーティストの絶品トラックだけで構成された、
橋本徹さん選曲のコンピレイション『Mellow Beats, Friends & Lovers』
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メンタル・レメディー(ジョー・クラウゼル)の「The Sun・The Moon・Our Souls」がオープニングに置かれ、
冬から春にかけてのメランコリックな情景に寄りそうような
極上のサロン・ジャズやメロウ・ボサ、アコースティック・グルーヴの名品が連なる、
橋本徹さん選曲のコンピレイション『音楽のある風景〜冬から春へ』
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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは270枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

 

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