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CATEGORY :【 Other 】
2014.08.29

連載コラム【音楽のある風景】 Vol.28

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。
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どうぞお楽しみください!

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8月の選曲はアーバンに、“夏の終りのハーモニー”という感じで。
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今年は雨の多かった8月、ここ数日は秋の気配さえ感じられますが、僕自身も仕事に追われ、夏満喫というわけにはいきませんでした。
でもその分だけ、音楽と触れ合う時間が増えたのは、僕の仕事の良いところ。
もう秋の装い、という方もいらっしゃるかもしれませんが、“夏の終りのハーモニー”という感じで、
今月も3枚のコンピCDを紹介させていただきます。

まずは何と言っても、日本で最も信頼できる良心的なレーベルのひとつだと感じていた、
origami PRODUCTIONSの8年間の歴史を集大成した『Free Soul origami PRODUCTIONS』。
揺れるエレピの心地よいメロウネス、繊細かつシャープに研ぎ澄まされたビートが生む“間”(あわい)のグルーヴ。
ジャズやソウルやファンク、ブラジル音楽からクラブ・ミュージックまでを愛し、
ディアンジェロ〜エリカ・バドゥそしてQ・ティップ〜J・ディラの流れを汲み、
ロバート・グラスパー・エクスペリメントと同時代を生きる、世界標準の絶品のジャパニーズ・メロウ・ミュージックです。
サブタイトルに引用したロウレルのメロウ・グルーヴ・クラシック「Mellow Mellow Right On」という曲をくちずさみながら、選曲していきました。
ブラジルはミナスのミルトン・ナシメント「Ponta De Areia」のカヴァーでは、気持ちのよいグルーヴに身を委ね、
コモンの「Resurrection」のカヴァーでは、アーマッド・ジャマル「Dolphin Dance」の一節が繰り返される、そのジャズ・センスに酔いしれてください。
余韻を大切にしたいと考えエンディングに置いたthirdiqの「4 a.m.」は、曲名通り、
時の流れる音さえ聴こえてきそうな、静まりかえった夜更けのスタジオでの密やかなセッション。
時を止める音楽というのは、こういう曲(生前のNujabesも絶賛していました)のことを言うのでしょうが、
本当に掛け値なしに収録曲すべてが名作ばかりです。
僕は今、原稿を書きながら、大好きなOvallの曲の、Hanahが歌う“I Need Your Music”という素敵なフレーズがこだましています。

続いて推薦したいのは『Free Soul Peace Island』、今年ULTRA-VYBEというレコード会社からリリースする10枚ほどのコンピレイションから、
レーベル単位で代表作となるキラー・チューンを数曲ずつ選りすぐった、全23曲の言わばダイジェスト・サンプラーです。
それだけにとても密度の濃い、華やかな内容になっていて、各々のレーベルの魅力がわかりやすく一堂に会しています。
爽やかな風が吹いてくるようなオープニングは、メロウ・ブリージンなハワイもの。
ポジティヴに心を高揚させてくれる、シカゴやデトロイトの躍動感あふれるヤング・ソウル。
メンフィス・ソウルのアーシーなイメージを、アーバン・メロウ&グルーヴィー・ノーザンにアップデイトさせた、
“サザン・ソウル・ルネッサンス”を体現するハイ・レコーズの秘宝
(ディープ・ソウルにおける、森進一が大滝詠一の書いた「冬のリヴィエラ」を歌ったようなニュアンス、と言えば伝わるでしょうか)。
さらに、80年代に栄華を極めたアーバン・ブラック・ミュージックの象徴タブー・レコーズの、その初期に残された珠玉の逸品。
フロアを熱く彩るサルソウル〜ウエスト・エンドに吹き込まれた、輝かしいダンス・ミュージックの金字塔。
最後は、年末にカフェ・アプレミディ・コンピが予定されているモダン・ジャズの名門ベツレヘムの、クラブ・ジャズ〜モッズ的にも人気の珍しいEP音源。
とにかく80分以上にわたってキャッチーでグルーヴィーでアーバン、きらめくような多幸感に満ちた一枚です。

そしてFree Soulコンピ史上、最もアーバンでアダルトでブギーな作品集となったのが、
栄光のタブー・レコーズのベスト・セレクション『Free Soul. the treasure of Tabu』。
ずばり選曲テーマは、アラウンド・80sのFree Soul解釈。
80年代に一世を風靡したローランドのリズム・マシンTR-808の音色を使った、
マーヴィン・ゲイ「Sexual Healing」やアイズレー・ブラザーズ「Between The Sheets」と同時代の最も洗練されたソウル・ミュージック。
その中心となっているジャム&ルイスとS.O.S.バンドによるTR-808メロウ・クラシック群は、
マックスウェルからビーツ・インターナショナル(ノーマン・クック)までがオマージュを捧げていて、
とりわけディアンジェロ&クエストラヴとモニカがカヴァーした「Tell Me If You Still Care」は、
パトリース・ラッシェンの絶品メロウ「Remind Me」の兄弟のような甘く優しいスロウ・ジャム〜クワイエット・ストームで、僕のお気に入り。
コンピの前半では、Free SoulのDJパーティーの心疼く人気ナンバーも目白押しで、オープニングを飾るシャロン・リドレー「Changin’」は、
もう死ぬほど好きな曲です。
その甘美に濡れるメロディーに思いがこみ上げた後は、本当に胸がキュンとする、甘酸っぱく清々しいウッズ・エンパイアの「Destiny」へ。
夕焼けのドライヴが似合うような、青春の風景がよみがえるような、その雰囲気を受け継ぐように瑞々しいマリン・フレイヴァー香る、
AOR風味のグッド・メロウ・グルーヴ「Look At Us Now」では、「えっ、Free Soulコンピにアレクサンダー・オニール?」
という嬉しい驚きが待っています。
いずれにせよ、僕のコンピとしては極めてアーバン〜ナイトクルージング〜ベッドルーム仕様となった『Free Soul. the treasure of Tabu』、
日常生活の様々なシチュエイションで楽しんでもらえたらありがたいです。

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8月の選盤

ジャズ〜ソウル〜ブラジリアン〜クラブ・ミュージックなどを横断し、
極めて現代的なセンスでメロウ&グルーヴィーな音楽を生みだす、
世界に誇れる日本のナイス・コレクティヴorigamiの素晴らしい魅力を完全パッケージした、
橋本徹さん選曲によるコンピレイション『Free Soul origami PRODUCTIONS ~ Mellow Mellow Right On』
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メロウ・ハワイ/ブランズウィック/ホット・ワックス&インヴィクタス/ハイ/タブー/
サルソウル/ウエスト・エンド/ベツレヘム……2014年にULTRA-VYBEからリリースされる
Free Soulコンピのグルーヴィー&メロウな珠玉のダイジェスト・セレクションとなる、
橋本徹さん選曲によるコンピレイション『Free Soul Peace Island』
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アーバン・ブラックの名門タブーの傑作群から、アラウンド・80sのニュー・パースペクティヴをテーマに、
都会的な色香あふれるナイトクルーズ〜ベッドルーム・ソウルや、多くのカヴァー/サンプリングを生んだメロウ・フローター、
胸疼く麗しのFree Soulクラシックが選び抜かれた、
橋本徹さん選曲によるコンピレイション『Free Soul. the treasure of Tabu』
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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは250枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

 

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