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CATEGORY :【 Other 】
2014.07.29

連載コラム【音楽のある風景】 Vol.27

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選曲されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。
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どうぞお楽しみください!

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7月の選曲は夏気分を満喫して、メロウ&グルーヴィーに。
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夏まっさかり、ですね。
僕は今年はあまり海に行けていないのですが、音楽だけは夏気分を満喫しています。
暑中見舞に代えて、今月も4枚のCDを紹介させていただきますね。

この夏の主役は何と言ってもクレイジーケンバンド『Free Soul Crazy Ken Band』。
まさに2014サマー・サウンドトラックNo.1です。
ポジティヴな音楽力とロマンティックな人間愛に満ちた、メロウ&グルーヴィーなクレイジーケンバンドの名曲ばかりがめくるめくように36曲、
オープニングからこれ以上は考えられない最高のサマー・ドライヴ・ミュージックが連なっていきます。
“サマー・ドライヴ”と共に選曲のキーワードとしたのは、“エレピ”“アーバン・ブリーズ”“ゆっくり跳ねる音楽”(そういう曲名があるのです)。
身につまされる歌詞と、心地よく快適なグルーヴに、気分まで甘やかに溶けだしてしまうようなエレピのメロウネス。
帯のキャッチフレーズは、大好きな「タオル」という曲の一節“銀色のあぶくに きらめく夏のすべて 弾けて消えてくんだぜ”。
合言葉は「考えるな 感じろ今」、メロウ・ブリージン&カンファタブル・クルージング。
そして何よりもここには、大人であることのカッコよさとつらさ、楽しさと切なさ、甘さと苦さが詰まっています。
ときには夏の“刹那”感に胸を締めつけられる、ほろ苦く切なすぎる瞬間さえも。

続いては、真夏の夜が似合うスウィート・ソウルを。
1970年代に一世を風靡したフィラデルフィア・ソウルの伝説的グループ、
スタイリスティックスのベスト・コレクション『Free Soul. the classic of The Stylistics』。
日本でも大ヒットした「You Make Me Feel Brand New」(誓い)や「Can’t Give You Anything」(愛がすべて)もしっかり収めていますが、
今回の選曲では、新しい視点からスタイリスティックスのアーティスト像をアップデイトすることにもこだわりました。
プロデューサーであるトム・ベルのスムースな手腕が光る、バート・バカラック作品や
ソフト・ロックの延長線上で聴けるソフト・サウンディング・ソウルという評価軸に加え、
多くの素敵なリメイク・ヴァージョンが生まれたクール&メロウなラヴァーズ・ロックの元祖、
サンプリングやカヴァーによりよみがえった現代のヒップホップ〜R&Bあるいはクラブ・ジャズのルーツ、という意義を踏まえての、
21世紀のクワイエット・ストームと呼びたいベッドルーム・ソウル/ナイトクルージング・ソウルという観点です。
とはいえ、スタイリスティックスの音楽は、そうした固い話は抜きにして、
ただひたすら美しいヴォーカル・ハーモニーに酔いしれるのが正解、なのでしょう(できれば大切な異性と二人で、というのがいいですね)。
ボーナス・トラックとして、マイケル・ジャクソン「Human Nature」などの人気曲カヴァーも収録されていますので、ぜひ聴いてみてください。

そしてマーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドと並び称される偉大なソウルマンであり、
メンフィス・ソウルの貴公子とも言われるアル・グリーンの『Free Soul. the treasure of Al Green』も大推薦。
甘くささやきかけるような優しいラヴ・ソング、誰もがくちずさめる人懐こいメロディー、固く引き締まった弾力性のあるビート。
曲タイトルを見れば、好きな人に届けたくなるような、愛に満ちた言葉ばかり。
これほど日常のささやかな時間や日々の感情に寄り添ってくれるソウル・ミュージックはありません。
まさに“恋するレーベル”に相応しい“恋する音楽”です。
特に「Simply Beautiful」〜「I’m Glad You’re Mine」と続くパートは、
個人的に静かなハイライト(ディアンジェロやホセ・ジェイムスを好きな貴方はぜひ!)。
ナイトクルージング〜ベッドルーム・ソウルとして、もちろんランチタイム〜ティータイム・ミュージックとして、
毎日のささやかだけれどかけがえのない幸せに触れるように、このCDに接してもらえたら嬉しいです。

最後になりましたが、アル・グリーンがメンフィス・ソウルの屋台骨となった名門レーベル、
ハイ・レコーズの黄金期に吹き込んだ名曲集に対し、その兄弟編としてそれ以外のアーティストの名作を集めた
『Free Soul. the treasure of Hi』も、優るとも劣らないほどお薦めしたいコンピレイションです。
ここで特筆したいのは、セレクトした26曲のうち14曲を貴重なシングル・オンリー曲が占めていること。
それによって、どちらかと言えば“いなたい”イメージが強いだろうメンフィス・ソウル〜ハイ・レコーズを、
“アーバン・メロウ・ミディアム”“グルーヴィー・ノーザン・ビート”といった人気の高いテイストと掛け合わせることに成功していると思います。
よかったら、フィリップ・ミッチェルのアルバム・デビュー前の名シングル「Little Things」
(まさしく“ハイ・サウンドによる「What’s Going On」”という感じのメロウ・グルーヴです!)に始まる冒頭の流れを聴いてみてください。
マニアならずとも、生き生きと瑞々しい、フレッシュなソウル・ミュージックが聴きたいと思っている音楽ファンに届くことを、心から願っています。

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7月の選盤

“Crazy Urban-Mellow”“Crazy Urban-Groove”の2枚組・36曲・160分にわたって、
夏の思い出のように胸を疼かせるメロウ&グルーヴィーな名曲がぎっしり詰まった、
橋本徹さん選曲によるクレイジーケンバンドのベスト盤『Free Soul Crazy Ken Band』
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ソフト・サウンディング・ソウルからクワイエット・ストームまで、
美しいヴォーカル・ハーモニーに彩られたフィラデルフィア・ソウルの真髄がメロウ&グルーヴィーな感性によってスタイリングされた、
橋本徹さん選曲によるスタイリスティックスのベスト盤『Free Soul. the classic of The Stylistics』
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メンフィス・ソウルの貴公子が名門ハイ・レコーズの黄金期に吹き込んだ、
スウィートでまさに“Simply Beautiful”な名曲群を、珠玉のラヴ・ソング中心に選りすぐった、
橋本徹さん選曲によるアル・グリーンのベスト盤『Free Soul. the treasure of Al Green』
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ソウル・ミュージックの歴史に輝かしい軌跡を残すメンフィスの名門レーベル黄金時代の傑作群から、
シングル・オンリーの秘宝を中心にグルーヴィー&メロウな至宝が選び抜かれた、
橋本徹さん選曲によるハイ・レコーズのコンピレイション『Free Soul. the treasure of Hi』
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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。
サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷の「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』シリーズなど、
選曲を手がけたコンピCDは250枚を越える。
USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」「usen for Free Soul」を監修・制作。
著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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