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CATEGORY :【 Other 】
2012.07.01

連載コラム【音楽のある風景】 Vol.3

グリーンレーベル リラクシング のBGMを選盤されている、
選曲家の橋本徹さんよりコラム【音楽のある風景】が届きました。

どうぞお楽しみください!

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7月の選曲はかけがえのない季節を彩るさざ波の音と。
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ミントやライムを効かせたモヒートのような爽やかなカクテルが美味しい季節になりました。
前々回のこのコラムでアーウィン・ショーの「夏服を着た女たち」に触れましたが、
最近バーで酒を飲んでいると、つい熱く語ってしまうのが、
その短篇小説と同名曲の、南佳孝「夏服を着た女たち」のこと。

「もしも声をかけなきゃ、もう死ぬまで他人さ」なんて口ずさんでしまうのは、やはり歳をとったせいでしょうか。
「涼しいカクテルを夢にそそいで」と行きたいところですが、梅雨が明けるのはまだもう少し先で、
「スコッチ・アンド・レイン」(これも南佳孝の曲名です)な湿った夜も少なくありませんが。
何と言っても「夏服を着た女たち」はエンディングの歌詞、夏の終わりの心象にグッと来ますね。
さて、今年はどんな夏になるのでしょうか。

先月末、福岡にDJに出かけたときに寄ったバーにも、チェット・ベイカーやスタイル・カウンシルのポスターと共に、
南佳孝の『South Of The Border』のジャケットが飾られていました。
そんなこともあって、僕の中ではちょっとした南佳孝リヴァイヴァル、という感じなのですが、
池田満寿夫の描いたこのアルバムのカヴァーがまた僕は昔から好きで、
休肝日の夜は、久しぶりに彼のエッセイを集めた「女のための男の手料理」のページを繰りながら、
「忘れられた夏」を偲んだりしています。

前回のこのコラムの最後の部分を書いていて、
ふと思い立った「海辺のFMステイション」を選曲コンセプトにしたコンピレイションも、
その後、実際にレコード会社の担当ディレクターが制作に向けて動いてくれて、
『Seaside FM 80.4』というタイトルで、何とか夏に間に合い、7/27リリースに漕ぎつけました。
内容も文句なし、海へ向かうときの高まる気分と、
海から街へと戻るときの優しい気持ちを封じ込め、心地よいことこの上なし、です。
ラジオから流れだすような胸を焦がす青春メロディーは、
まさにビーチ・ボーイズが「That’s Why God Made The Radio」で歌ったように、
恋に落ちるときのサウンドトラック。
爽やかな高揚感と甘い憧れを誘うハワイやブラジルのメロウAOR、
切なくも甘酸っぱい感傷を抱くフォーキーSSW、
グルーヴィーなギター・カッティングや涼やかなスティールパンの瑞々しさが、
潮風と波の音に溶けていきます。
かけがえのない季節を美しく鮮やかに彩り、大切な思い出として刻んでくれる名曲たち。
ぜひ週末のシーサイド・ドライヴなど、「小さいけれども確かな幸せ」(村上春樹)のお供にどうぞ。

『Seaside FM 80.4』は、僕自身もさっそくアドヴァンスCDをヘヴィー・ローテイションしていて、
先週の日曜日は特に、今年最初の海の家でのDJパーティーが逗子海岸のビーチハウスであったので、
気分を海モード/夏モードにするため朝から繰り返し聴いていました。
そうしているうちに思い出した“Summertime Is Here”な曲がふたつあります。
どちらも夏になるとここ数年は若い頃を思って毎年のように口ずさんでいる曲なのですが。
ひとつは高校生のときに佐野元春の「サウンド・ストリート」で聴いた、
ジョナサン・リッチマンの「That Summer Feeling」。
僕はこの曲の歌詞にどうしようもなく胸を締めつけられてしまうのです。
もうひとつはサテライト・ラヴァーズの「Day Dreamin’」、
もう18年前の夏にインディペンデントで作った思い出深い曲。
こちらは歌詞をこの場を借りて掲載しておきましょう。
いよいよ、夏が始まりますね。


ああ風が髪を揺らす まどろむ君にもたれながら 指を重ね
永遠の八月に迷いこむ 甘い夢が終わらないように
さあ目を閉じて 白い砂かがやく 夕暮れが夢のように
天国へ手を伸ばす 運命の星の糸をたぐりよせるように
愛しあう歓びに心震わせる 僕たちを変えるこの夏を感じながら
真昼の月に歌を捧げよう この時が夜に翳らないように

 

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7月の選盤

橋本徹さんが「海辺のFMステイション」をコンセプトに
爽やかでメロウな胸を焦がす名曲を集めたコンピCD
『Seaside FM 80.4』(7/27リリース)
201207-1.jpg

橋本徹さんが心躍るグルーヴ感にあふれた夏を彩る
名作を新旧/オール・ジャンルで紡いだコンピCD
『グルーヴィー・サマー・オブ・ラヴ』
201207-2.jpg

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橋本徹 (SUBURBIA)
編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。
渋谷・公園通りの「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・セレソン」店主。
『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』『音楽のある風景』
シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは230枚を越える。USENで音楽放送チャンネル
「usen for Cafe Apres-midi」を監修・制作。著書に「Suburbia Suite」「公園通り
みぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」な
どがある。
http://apres-midi.biz
http://music.usen.com/channel/d03/

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